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ファンダメンタルズ分析とは?
目次
テクニカル分析とは?
FX相場の分析方法には、大きく分けてテクニカル分析とファンダメンタルズ分析があります。
ファンダメンタルズ分析とは、経済指標の発表や要人発言、政策金利などを見て、今後の各国の経済状況を見極めてその国の通貨が買われるのか売られるのかを見極める分析方法です。
いっぽうテクニカル分析は、過去の値動きから数値を算出して線で繋ぎ、今の相場状況が売られすぎなのか買われすぎなのか、はたまたトレンド発生中なのかを線グラフで分析する方法
のことを言います。
例えば、特定の期間の終値の平均が100だった時に、現在のレートが120だった場合は買われすぎになっているななど、判断することができます。
テクニカルの分析方法には様々なものがあり、単純に平均を出して線グラフで結んだものや、ほとんどこの範囲に収まるという標準偏差を使ったもの、一般的に黄金比と呼ばれるフィボナッチ係数を使ったものなど様々あります。
テクニカル分析のメリット・デメリット
テクニカル分析の利点は直感的に相場分析ができるところです。
ファンダメンタルズ分析では経済指標などの裏にある思惑を想像して相場がどっちに行きたいのかを自分自身で判断していく必要がありますが、テクニカル分析ではチャートに直接テクニカルが表示されているため、目で見て視覚的に今の相場状況が判断できます。
いわばファンダメンタルズ分析は人の考えから相場の未来を予想しますが、テクニカル分析では現状の相場状況を教えてくれるツールなのです。
ちなみにテクニカルは昔は手書きでしたが、近年ではアプリが自動計算して表示してくれます。なので自分で計算する必要はありません。
いっぽう、テクニカル分析の短所(デメリット)としては、突発的に動きに対応できない、売買シグナルにダマシがある。などがあります。
テクニカルは、過去の比較的なだらかな相場の平均を取って売買判断に生かしています。なので、突発的な利上げや突然の要人発言などで、相場レートが急激に動くと計算値に1本のノイズが入るため、しばらくテクニカルのシグナルが使えなくなることがあります。つまり突発的なファンダメンタルズ要因には対応できないのがテクニカル分析の欠点です。
また、テクニカルでは「ゴールデンクロスしたら買い」などの売買シグナルがありますが、これは絶対ではありません。
あくまで”そうなりやすい”という傾向や優位性を教えてくれるのがテクニカルです。もし絶対的に当たる売買シグナルがあったらみんな億万長者です。
メリット | デメリット |
・相場の現状が分かる | ・絶対ではない |
・売買タイミングがわかる | ・ファンダメンタルズ要因に弱い |
・優位性がある(そうなりやすい) | ・未来を教えてくれない |
・自分で計算する必要がない | ・ダマシがある |
テクニカルは未来を教えてくれない
先に言っておくと、テクニカル分析は過去の相場レートから算出しているため、あくまで相場の現状を教えてくれているだけで、決して未来の相場を教えてはくれません。
売買シグナルはあくまで、このサイコロは6が出やすいなど、大きな分母があるなかでそれが出やすいといっているに過ぎません。
つまり、テクニカルのシグナルはそうなることが多いが、そうならないこともあるという優位性分析ツールなのです。
そこに注意して、テクニカルが思い通りにいかなかったパターンを常に考えながら、損切りポイントをルール化していくのがFXトレードのやり方です。
損切りの考え方は資金管理の本にも書いていますので、そちらもご覧ください。
テクニカルの種類
ここからは数多あるテクニカルの一部を紹介していきます。
テクニカルは、自分にあったテクニカルを探す必要
がありますが、たくさん使う必要はありません。
プロトレーダーによっては表示しているテクニカルは1つだけの人も多くいます。これは複数テクニカルを使うことで、逆に相場分析が混乱してしまうからです。
移動平均線
移動平均線とは、一定期間のローソク足終値の平均を取って線で繋いだテクニカルです。
相場に一定期間の平均がわかるので、今のレートが平均よりどのくらい離れているのか、また、移動平均線の向きによって相場が上昇基調なのか下落基調なのかが分かります。
また、移動平均線を複数表示して、中期線が長期線を上に抜け(ゴールデンクロス)すると買いシグナル、逆に下向け(デッドクロス)すると売りシグナルになります。
どのくらいの数値の移動平均線平均を使うのかはトレーダーによって違いますが、5・25・50・75・200などがよく使われています。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドとは、確率理論の標準偏差を使って、その範囲内に相場レートが収まっているかを見るテクニカルです。
標準偏差とは、その範囲に収まる確率のことで、例えばテストで30点~70点を取った人が100人中50人居たら、その範囲に収まる確率は50%、70点~100点の人は20%など、その範囲内になる確率のことを言います。
テクニカルとしてのボリンジャーバンドでは、ボリンジャーバンドの±1σに相場が収まる確率が68.3%、±2σ内には95.4%、±3σ内収まる確率はなんと95.4%と言われています。
つまり、ボリンジャーバンドの中心線より相場が離れていくと中心線に戻っていきやすい傾向があります。
また、バンドが広がっていくエクスパンションや、相場が特定の範囲内に収まりながらトレンドを作っていくバンドウォークなどの使い方があります。
ライントレード
ライントレードとは、その名の通り、チャートに直線を描いていく手法です。
相場ではみんなが注目している価格があり、その価格で何度も弾かれたり、そこを抜けたらその価格が下支えになったりすることがあります。
その他にも、安値同士を結んだ斜めの直線(トレンドライン)と高値同士を結んだ直線の範囲内に相場が収まることがあるため、それをヒントにトレード戦略の構築を行います。
フィボナッチ比率
フィボナッチとは、いわゆる黄金比率を使ったテクニカルで、皆さんも一度は渦巻き状のグルグルした図形を見たことがあるかと思います。あれがフィボナッチです。
FXのフィボナッチテクニカルでは、その黄金比率の”1:0.618”や”1:0.382”などに水平線を引いてその価格で相場が反発するのかどうかなどをチェックしていきます。
特に”1:0.5”や”1:0:618”という比率はよく相場が反発しやすい比率です。
MACD
MACD(マックディー)とは、オシレーター系のテクニカルで、チャートの下側に表示されるテクニカルです。
上記で紹介した移動平均線は単純移動平均線(SMA)を基本的に計算式で使いますが、MACDは直近の値動きを重要視したEMA(指数平滑移動平均)という計算式を使っています。
MACD線とMACDシグナル線と、この2つの線の差を棒グラフで表示したヒストグラムの3つで表示されます。
使い方は基本的には移動平均線と同じで、MACD線とMACDシグナル線がゴールデンクロスしたら買いシグナル、デッドクロスしたら売りシグナルとなります。
RSI
RSIとは、オシレーター系のテクニカルで、主に相場が買われすぎているのか、売られすぎているのかの過熱感を表すテクニカルです。
RSIは確率で表され、70%以上なら買われすぎ、30%以下なら売られすぎとなり、再度シグナル線が超えてくればトレンドが終わるシグナルとなります。
さらにRSIは、ダイバージェンスという現象もあり、相場のレートが下落しているのにRCIが横ばいかわずかに上昇することがあります。この時はRCIの線が急に上昇した時が買い場となります。
ローソク足・平均足
みなさんが何気なく使っているチャートのローソク足も実はテクニカルの一種で、日本人が開発したテクニカルです。
海外だとバーチャートが一般的で、カクカクした線でチャート表示されるのが特徴です。
ローソク足は、陽線と陰線で色分けされているのが特徴で、その始値・終値・高値・安値の値幅で型が変わるため、その形を見ながら直感的に相場判断ができます。
また、ローソク足の進化系である平均足もあり、これは前回のローソク足が影響しながら、なだらかな足を成形していくため、ノイズに騙されにくい解析ができます。
テクニカル分析ツールが充実しているFX会社4選
このようにテクニカル分析は様々なものがありますが、このすべてのテクニカルに対応しているツールはほぼありません。
私も様々なチャートアプリを使いましたが、FX会社によって15種類しか対応していないFX会社や、50種類以上ものテクニカルに対応しているのに数値設定できるの範囲が狭く、世界的にも見られている200日移動平均線が表示できないなどがあり、なかなかFX初心者に勧められるアプリはありません。
そんななかで、下記のFX会社のチャートアプリはテクニカルの取り扱い数も多く、数値も比較的自由に設定できるので、どのテクニカルを使えばいいのか迷っているFX初心者が自分にあったテクニカルを探す時にはおすすめです。
ヒロセ通商
ヒロセ通商は全30種類のテクニカルに対応!もちろんスマホアプリにも対応しています。
ほとんどの他のFXアプリでは1つのチャートに2つのテクニカルしか使えませんが、ヒロセ通商は最大5つのテクニカルが表示でき、設定値も例えば移動平均線では最大999の設定ができ、自由にテクニカルの設定ができます!
IG証券
IG証券アプリは33種のテクニカルに対応していて、ちょっと珍しいテクニカルにも対応しています。また、ローソク足だけでなく平均足やバーチャートなど様々な足表示もでき、ラインの描写も直感的に描くことができます。
また、IG証券は取り扱い通貨ペアが多く、FX銘柄では100種類、そしてCFD銘柄なども取り扱っていて合計銘柄数は17,000種類を超えます。
みんなのFX
みんなのFXのアプリは、世界的に使われている分析アプリTradingviewが無料で使える珍しいFX会社で、みんなのFXが提供している通貨ペアであれば自由に分析ができます。
みんなのFXは30通貨ペアに対応していて、テクニカルはなんと95種類が使えます!
Tradingview(トレーディングビュー)
Tradingview(トレーディングビュー)は世界的に使われているテクニカル分析ツールです。
テクニカルも個人が開発したテクニカルもあり、私も対応数を把握できません。それほど多いテクニカルがあります。
各証券会社がレート提供をしており、ほとんどの投資銘柄の金融商品チャートを見ることができます!
ただ、基本は有料プランとなっており、無料プランは広告が出ます。有料プランにもいくつかあり、高いプランほどウインドウ数・タブ数が増えたり、CSVデータがダウンロードできたりします。
Tradingview➱公式サイト
私は上記のヒロセ通商やTradingviewなどのアプリをでチャート分析をして、取引は違うFX口座でFXトレードを行っています。
みなさんも上記の分析ツールを使って自分にあったテクニカルを探していきましょう!
次の記事➱通貨の国力関係性を理解しよう!(準備中)
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